白衣のかぐや姫、いや女王様に謁見する
仕事帰りの東京駅近くの某ビルで
瀟洒な階段を昇った先の自動ドアの先にあったのは
思わず「間違えた?」とドアを出て確認しそうな
エステサロンのような人生初の皮膚科クリニックでした。
受付の女性は勿論の事、患者の皆様も若くてお美しい
いつもの呼吸器内科みたく死にかけの御老体など一方もなく
竜宮城に謝って紛れ込んでしまい途方に暮れる御老体、
浦島太郎ならぬ浦島花子、隅っこで初診の問診票を記入します。
いやこれってどう考えても場違いでしょうよ
何時もの通勤用リュックを抱えて小さくなっているポンコツです。
と、目の前の診察室の扉が突然開き白い衣がひらりと翻り
後ろにまとめた黒髪の美しい女性が何か言って、するりと部屋に引っ込みます。
えっ⁉️何❓何何⁉️一体何が起こったの❓
かぐや姫様が居るよ⁉️えっ、竜宮城にかぐや姫様は居ないでしょう⁉️
突然の出来事にプチパニックなポンコツです。
ひらひらと舞う衣が白衣とスクラブだと気付いたのは、それから暫くしての事。
確か院長先生って綺麗な女性だったけれど、ひょっとして今の方⁉️
いやいやいやいや、今の人の方が断然若いし美しい。
待つ事、約10分位、遂にポンコツの順になりました。
「こんにちは、春風さん、〇〇です。今日はどうされましたか?」
うわぁ、やっぱりかぐや姫様は院長先生だったんだ。
若く見えたのは、すっぴんで幼く見えたからか、、、えっすっぴん💦
遠慮なくガン見しているポンコツの視線をモノともせずに
サクサクサクと問診は進み、スラスラスラとカルテに入力します。
やってる事は主治医様と同じなのに、ちゃんと目を見て話して下さる。
質問の仕方がお上手なのか、言いたいことを誘導、引き出して下さいます。
「ちょっと腕捲って下さい、後お腹も見せて!」
かぐや姫様、掌サイズの金属探知機みたいなやつを翳しては頷きます。
「なにも無いと言うけど私に言わせりゃ湿疹です。」
「主治医の先生が皮膚科に行けって、そりゃ当たり前。」
美しいかぐや姫様は、口を開けばズバズバと容姿に見合わぬ弁舌ぶり。
「アレルギーのお薬ってビラノアですか?また、こんな面倒なやつw」
ぬぬっ、姫様、私めの主治医様に向かって無礼でございますぞ!
腰の刀に手をかけるも(無いって!)眩しい白衣に目が眩みます。
「ピラノアは空腹時に服用しないと効かないってご存知かしら。」
「はい、最初に薬剤師さんに言われました、頓服には向かないと。」
「その通り、例えば帰宅後に直ぐ服用して夕食の準備をして。」
「なるほど、ざっと30分くらいですかね。じゃあ食前に服用するイメージですか?」
「えっと、1時間は開けて欲しいですねぇ、ほら面倒でしょう?」
悪戯っぽく、にっこりと微笑む女王様、白衣の輝きに相まって後光まで差しています。
「お薬は纏めて飲むのが良いでしょう?喘息のと一緒にね。」
「大丈夫、怖い薬じゃないから安心して。あと塗り薬も出して置くから。」
えっ、先生、その輝く美貌に中身男前とか、もう天下無双ですか?
九州男児の主治医様ですら、貴女の前には跪くやも知れません。
あれよあれよと診察も終わり、初めての謁見もつつがなく。
女王様より下賜された、本日のお薬は此方。
デザレックスと、ステロイドの塗り薬でした。
クリームを念入りに塗りながら、私も女王様みたく艶プルになれるかしら。
とりあえず、これで1週間様子見をする事に。
おかげさまで、昨日は痒い痒いに悩まされることもなく
3時半まで、ぐっすりと眠れました。
さてさて今日は木曜日、後2日、張り切って行こう。




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